クライメイトウィザードproduct

Indirect Evaporative Cooler
クライメイトウィザード

水の気化熱を利用して外気を冷やし、室内へ送り込む間接蒸発冷却式空調機です。
コンプレッサーを使わず、新鮮な外気を取り込みながら、冷房にかかる電力とランニングコストを抑えます。

クライメイトウィザードの仕組みと特長 Feature.01

水の気化熱で外気を冷やす

取り込んだ外気は、熱交換器のドライ回路を通り、散水で壁面が湿った状態のウェット回路を通る低温の空気と熱交換して冷却されます。冷却された空気のうち約55%は室内の冷房に使われ、残りの約45%はウェット回路へ送られて、壁面の水を蒸発させ、その「気化熱」で冷却されます。

ウェット回路の空気は、壁面で隔てられたドライ回路に入ってくる空気と熱交換し、湿分を上げずに冷却します(顕熱冷却)。熱交換を終えたウェット回路の暖かく湿った空気は、屋外へ排気されます。

クライメイトウィザードの仕組みと特長 Feature.02

コンプレッサーや合成冷媒を使わない

一般的な冷媒式空調は、コンプレッサーで冷媒を圧縮し、熱交換器内で蒸発させて空気を冷却します。クライメイトウィザードは水を冷媒として利用するため、冷却運転にコンプレッサーを使用しません。

環境に有害な合成冷媒や化学冷媒も使いません。主にファンとポンプを動かす電力で運転するため、一般的な冷媒式空調に比べて消費電力を大幅に削減できます。

クライメイトウィザードの仕組みと特長 Feature.03

100%の新鮮な冷却外気を供給する

室内へ供給する冷却空気は100%新鮮な外気なので、室内空気質(IAQ)も健全に保たれます。通常の運転では室内が陽圧(プラス圧)に保たれるため、汚れた外気の侵入を抑え、熱負荷も抑えます。

直接蒸発冷却を組み合わせたSupercoolモデルなどは、給気へ少量の水分を加えて、さらに低い温度を目指す機種です。求める温度と湿度に応じて機種を選びます。

クライメイトウィザードの仕組みと特長 Feature.04

単独冷房から既存空調との併用まで対応する

  • 単独冷房:クライメイトウィザードだけで冷却外気を室内へ供給する
  • 外気予冷:一般の主空調機が取り込む外気をクライメイトウィザードで予冷して供給し、空調システムの効率を上げる
  • 補助冷房:既存空調と併用し、高負荷時の冷却能力を補う
  • ハイブリッド冷暖房:暖房コイルやパッケージ空調機などと組み合わせ、冷暖房と外気導入を行う

どの方式を採用するかは、必要な外気量、室温、湿度、既存空調の能力から決定します。

暑さ対策と省エネに対する効果

冷房の消費電力を抑える

メーカー資料では、同じ負荷を処理する冷媒式空調システムとの比較で、エネルギーコストを最大80%削減するとされています。

削減率は、外気の温度・湿度、必要な給気温度、機種、運転方法、比較する空調設備によって変わります。最大80%は、すべての現場で得られる削減率を保証するものではありません。

現地調査では、必要な冷却能力と既存設備を確認し、消費電力とランニングコストを試算します。

外気温が高くなるほど冷却効率が上がる

一般的な冷媒式空調機では、外気温が35℃以上になると冷却効率が低下し、消費電力も増えていきます。クライメイトウィザードは、外気温の上昇に伴って水の蒸発が盛んになり、冷却効率が上がります。しかも、猛暑時でも消費電力は一定です。

実際の給気温度と冷却能力は、外気の乾球温度だけでなく、湿度にも左右されます。日本の一般的な気候では、外気温が35℃以上になると湿度は40〜50%になるため、高い冷却効率が期待できます。

換気と冷却を同時に行う

工場、整備工場、厨房、店舗では、排気設備や扉の開閉で出ていった空気の量を、外気の導入で補います。夏の高温な外気をそのまま入れると既存空調の負荷が増えるため、クライメイトウィザードで冷却してから室内へ供給します。

既存空調の負荷を軽減する

外気を予冷してから既存の主空調機へ導入すると、主空調機が処理する負荷を軽減できます。既存空調機の運転時間やピーク電力を抑えるほか、新設時には空調機の容量をダウンサイズできます。設備容量は、建物の熱負荷を計算して決定します。

主な機種と仕様 Specifications

クライメイトウィザードには、小規模な店舗・施設から、大規模な工場・倉庫まで対応する機種があります。

機種

主な方式

最大冷却能力

最大・標準風量

定格風量時の消費電力

CW-6S

間接蒸発+直接蒸発

14kW

4,680m³/h

1.8kW

CW-H15

間接蒸発

31kW

3,960m³/h

1.8kW

CW-H15S

間接蒸発+直接蒸発

36kW

3,960m³/h

1.8kW

CW-H15S Plus

間接蒸発+直接蒸発

50kW

5,760m³/h

2.2kW

CW-80

間接蒸発

207kW

26,640m³/h

12.5kW

CW-80 Hi-Cap

間接蒸発

234kW

30,600m³/h

12.5kW

CW-80S

間接蒸発+直接蒸発

228kW

25,600m³/h

12.5kW

CW-80S Hi-Cap

間接蒸発+直接蒸発

261kW

29,500m³/h

14.0kW

冷却能力は、メーカー資料に記載された外気予冷時の最大値です。CW-6Sのみ、単独冷房時の最大冷却能力を記載しています。外気条件や使用方法によって、実際の能力は変わります。
さらに大きな空間や特殊な設備には、複数の冷却ユニットを組み合わせるCW-X・CW-XRシリーズもあります。

設置に向いている現場・慎重な検討が必要な現場 Compatibility

向いている現場の例

  • 人や車両の出入りが多く、屋外に対して半ば開放された状態になっている
  • 換気や排気のため、大量の外気導入が必要
  • 一般の空調機を増設すると、受電容量や電気料金への負担が大きい
  • 工場・倉庫・整備工場など、広い空間や作業エリアを冷却したい
  • 既存の空調機へ導入する外気を予冷したい
  • 既存の空調設備のピーク負荷や運転時間を減らし、設備寿命を延ばしたい
  • 給気へ余分な湿気を加えずに冷却したい(顕熱冷却)

最後の項目は、標準の間接蒸発冷却モデルに当てはまります。Supercoolモデルなどは給気へ少し水分を加えるため、やや高い湿度が求められる温室などの農業ハウスや、ワイン貯蔵室などに適しています。

慎重な検討が必要な現場の例

  • 年間を通じて厳密な室温・湿度管理が必要(ハイブリッドクーリング)
  • 高温多湿時にも、本機だけで低い室温を維持したい
  • 市水、工業用水、地下水などが確保できない
  • 本体、ダクト、給気口、排気口の設置場所を確保できない
  • 水質管理や定期的な清掃・点検が難しい
  • 冷房負荷、必要風量、外気条件が分からない

高湿度地域や密閉空間だから使用できないとは限りません。必要な給気温度と冷却能力を外気条件から計算し、単独冷房(スタンドアローンクーリング)・外気予冷(プリクーリング)・一般空調との併用(ハイブリッドクーリング)から適切な方法を選びます。

一般空調・冷風機・ファン・ユカリラとの違い Comparison

設備

主な役割

冷暖房

外気・換気

給排水

クライメイトウィザード

外気を冷やして供給する(顕熱冷却)

冷房・換気用。暖房は他機器と組み合わせる

100%外気の供給に対応

必要

一般的な空調(冷媒式ヒートポンプ空調機などを含む)

室内の温度と湿度を調整する

冷房・暖房

外気処理は設備構成による

原則不要。ドレン排水は必要

直接蒸発式冷風機

水と空気を直接接触させ、気化熱で冷却した空気を供給する

冷房・換気用

外気を取り込む

必要

THE FIRST FANなどのファン

大口径ファンで空気を循環させ、室内に気流をつくる

空気自体は冷却せず、体感温度(ET)を下げる

換気設備ではない

不要

クライメイトウィザードは、屋外から導入する外気を冷却します。THE FIRST FANなどのファンは、供給した冷気を広いスペース全体に拡散させます。一般空調は、室内の細かな温湿度の調整が可能です。

KATSURA IDEAL

ロゴ

暑さ・寒さ対策への活用 Applications

暑さ対策

  • 開口部が多い場所や広いスペースへ、冷却した外気を供給する
  • 作業エリアや熱だまりのある場所へ冷気を供給する
  • 一般のメイン空調機へ導入する外気を予冷する
  • 既存空調の冷却能力を補う
  • ファンと組み合わせ、冷気を必要なスペースに拡散させる
  • 天井の遮熱対策と組み合わせ、建物へ入る熱と冷房負荷を軽減する

暑さの原因が屋根からの輻射熱なのか、外気の流入なのか、設備の発熱なのかによって、必要な対策は異なります。

寒さ対策

クライメイトウィザード自体は冷却装置であり、単独では暖房できません。

冬季は、暖房コイル、商用暖房機器、ヒートポンプ空調機などで給気を加熱します。建物に必要な換気量と暖房能力に応じて組み合わせる設備を選びます。

導入事例 Case

ネッツトヨタニューリー北大阪 千里店様の導入事例

自動車販売店のサービスストールは、作業上、大量の外気が出入りします。建物への熱負荷も大きいため、省エネルギーに配慮しながら作業場所を冷やす方法(スポットクーリング)が求められていました。

そこで、間接蒸発冷却式空調機「SEELEY The Climate Wizard CW-3」を設置。ブースターファンを併用し、4個のパンカールーバーから作業エリアへ冷気を供給しました。

項目

設計内容

風量

3,830m³/h

静圧

500Pa

夏季設計条件

34.4℃ DB/24.8℃ WB

給気温度

24.3℃ DB

CW-3最大消費電力

1.75kW

ブースターファン消費電力

0.75kW

吹出口直近風速

6.4m/s

目標残風速

吹出口から3mで1.5~2.0m/s

2026年6月13日12時50分以降の測定では、屋外温度32.2℃、屋外湿度35%に対し、吹出口温度19.3℃、吹出口風速6.6m/sを記録しました。

10馬力パッケージエアコンとの比較では、電力消費を70%削減したと施工事例資料に記載されています。温度、風速、削減率はいずれも千里店様の設備構成と測定条件における事例値です。

現地調査から設置・保守まで Total Support

施工の流れ STEP

  1. お問い合わせ・ヒアリング

  2. 建築図面確認・現地調査

  3. 外気条件、熱負荷、必要風量、給排水、電源、設置場所の確認

  4. 適用可否の判断と、機種・使用方法の選定

  5. 冷却能力、消費電力、ランニングコストの試算

  6. 設計・お見積り

  7. 設置工事・試運転・コミッショニング

  8. 温度、風速、消費電力などの効果確認

工期と、施設を稼働させながら設置できるかどうかは、本体の設置場所、ダクト経路、給排水・電源工事の内容によって変わります。

給水・排水・電源

クライメイトウィザードの設置には、機種に合った給水、排水、電源が必要です。給水には通常、市水を使いますが、工業用水や地下水も使用できます。本体に加えて、給気・排気ダクトや吹出口の設置場所も確保します。

必要な給水量、給水圧、排水口、電源の相数・電圧・周波数は機種によって異なります。既存空調、ブースターファン、コントローラー、BMSと接続する場合は、周辺設備も含めて設計します。

水質管理・清掃・点検

機種に応じて、水槽内の塩分濃度や塩素濃度の監視、自動給排水、長期停止時の排水、異常警報などの水管理機能を備えています。

水管理機能を備えた機種でも、エアフィルター、水槽、熱交換器、ポンプ、給排水系統の清掃と点検は必要です。

清掃箇所、点検頻度、消耗品、交換部品は、選定する機種と使用環境に応じて決まります。

クライメイトウィザードについてよくある質問 FAQ

梅雨時や湿度が高い日でも使えますか?

使用できますが、給気温度と冷却能力は外気の乾球温度・湿球温度・湿度によって変わります。必要な能力を満たせるか、外気条件から計算して判断します。

どのくらい水を使いますか?

水消費量は、機種と外気条件によって変わります。給水は循環して使用するため、たとえばCW-6Sの場合は最大1L/分です。設置場所の気候条件と運転時間をもとに試算します。

既存施設を稼働させたまま設置できますか?

本体の設置場所、ダクト経路、給排水・電源工事の範囲によって判断します。現地調査後に、作業区画と工程を提示します。

費用はどのように決まりますか?

必要な冷却能力、機種と台数、ダクト、給排水、電源、既存空調との接続、設置工事の内容によって決まります。現地調査後にお見積りします。

Contact

クライメイトウィザードが適しているかどうかは、建物の用途、開口部、外気条件、熱負荷、必要な温度、既存空調、電源、給排水などを確認して判断します。
単独冷房、外気予冷、補助冷房、ファンとの併用などから、現場に合う構成をご提案します。建物の図面や既存空調の資料がある場合は、お問い合わせ時にご共有ください。

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  • ファンブレード加振感知停止装置は標準設備です。
  • 設置前には、現場調査で得た建物条件をもとに気流や温度分布を事前にシミュレーションします。

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